名誉市民になってしまったボク





 名誉市民などというとどこか人のよいお年を召した方がもらうものばかりと思っていたら、まだ30代のボクにその話がきてびっくりしてしまった。なんでもオーケストラと街の文化のために一生懸命やってきたことが認められて、何かくれたいという事らしい。はじめ、名誉市民といっしょに Ozaki Street という通りを作るなどという話もあったが、音楽家の通りはすでにバルトーク通りというものがあり、あまりにもボクの名前をその次につけるのはおこがましいので辞退した。それでもなにか形にしたいらしく、記念して銅像や噴水という話も出たが、これからだというのに、いくらなんでもメモリアル的なものは、あまりにも早いのではないかと思い、こちらも丁寧にお断りした。旧共産主義のなごりか、やたら名誉、勲章をくれたがる。うれしい反面何だか気恥ずかしい。