【目次】

−ピアノ・レッスン

−レッスン内容

●「感性」「知識」「技巧」の三本柱

●「テクニック」

●「読譜」

●感性は磨かれるもの

●師匠クラウス・シルデ直伝の“アルバイテンArbeiten”

●アルバイテンは尽きることが無い

●「ただ楽しい」だけでない、もっと「愉しい」、それは「癒し」

−レヴェル

●趣味の方

●プロを目指す方、音楽学生・卒業生の方

−レッスン時間と料金

−レッスン室、外部スタジオ・レッスン、出張レッスン

−連絡先

 

 

 

 

◆ピアノ・レッスン

「音楽が楽しい」というのは当然のこと、だけれども、その「当然」であることが少し入り込んで考えてみると、なかなかそう簡単にはいかないことがあるのではないでしょうか。どうして楽しいのか、どうすれば楽しめるのか、そこには楽しめるために不可欠な具体的な要素・コツがいくつも折り重なってあるのだと思われるのです。

「好きな曲なんだけれどうまく弾けない」

「この曲の何がいいのか分からない」

「いい曲なのは分かっているのだけれど、それを満足して演奏できない」

色々な問題や要求が人それぞれおありでしょう。そうした壁をひとつひとつ乗り越えるにあたって、他者の意見を交え共に試行錯誤する過程を踏むことが非常に有意義なものとなるのかもしれず、ここにピアノの・音楽のレッスンの根本があると思われるのです。

 

 

 

◆レッスン内容

レッスンを通して、音楽、楽曲、ピアノという楽器と皆様との距離を縮めていただけるよう、具体的な指導を心がけていきたいと思います。

音楽というものは、我々の本当にごく身近にあるような気がする反面、いざ自分がそれに関わっていくと、その奥深さ、際限の無い道のなんと遠いものかと気が滅入ってしまうことも時にあるものです。あるいはしかし、本当に音楽を突き詰めていく時には、そういった壁にぶつかることは当然のことであり、それは進歩の徴でもあるのかもしれません。

そんな音楽と皆様との距離を少しでも縮められ、より納得と充実感のある音楽の時間を過ごすことができるようお助けすることができればと、レッスンを承っております。

以下にレッスンの基本姿勢をご紹介したいと思います。

 

 

 

●「感性」「知識」「技巧」の三本柱

 

演奏という行為を「感性」「知識」「技巧」という三本柱として考えてみます。

 

◆「感性」とは、音楽に対する感覚的なアプローチであって、この感性を磨くことによって、より充実した音楽の感得が可能になるものと考えられます。

◆「知識」は音楽に関する知識、それは楽典、和声法、アナリーゼ(楽曲分析)や読譜法、さらには音楽史や楽曲の成立背景等もここに含まれます。そして、

◆「技巧」を楽器に向かう際の実際的な指・腕・体の使い方、演奏技術(テクニック)として考えてみます。

 

これら三つの要素は、お互いに影響しあって相互に発展していくことで、非常に大きな相乗効果を生むと今の私は考えております。

例えば、「知識」でもって楽曲を見極めながら、それを「感性」で確かめたとき、その知識に沿った音楽が、確かに感性にとっても「よい」と思えたのならば、その両者がシンテーゼとなってひとつの高い境地へとたどり着くことができたといえるのではないでしょうか。

あるいは、感性で「美しい、いい」と感じていることが、知識によって裏付けられることで、その感覚を自信を持って貫くことができるようになれたとすれば、それは音楽を・演奏をしていくにあたってこの上なく心強いこととなるでしょう。さらには、「知識」や「感性」に裏付けられた動機を元に、それをいざ実際の音・演奏として実現しようとする際、どのようにして体を、指を、手首を、肘を、腕を、肩を、上半身を、そして足を使うか、どのような「指使い」を使うかといったテクニカルな問題を、体と心が一体となって解決することができるのであれば、それこそが真に高い「テクニック」と呼ばれるものなのではないでしょうか。

 

このように、より高い音楽性を持つ演奏に至る過程は、これらの要素が絡み合い、また相互に影響しあいながら発展することによって、目ざましくも確実な進歩に結びつくものと、私は考えております。

我々の目指すところは、それらの異なる要素を吟味して音楽を捉えようとすることによって、より高く具体的な音楽の「美しさ」が、実は我々の中に「あらかじめ存在していた」ことに気付くことが出来たときに、本人にとっても周囲の人にとっても納得のいく、より位相の高い、まるで地に足のついたような音楽的境地へと達することができると考えることができましょうか。「知識」と「感性」と「技術」のみっつが合い交わってシンテーゼへと至る、そうした積み重ねが、人生の長きに渡って音楽していく、そしてピアノという楽器を演奏する醍醐味といえるのではないでしょうか。

 

 

 

●「テクニック」

 

また、正しい「知識」からは、正しい体の使い方、すなわち俗にいうピアノを弾くための「テクニック」をも習得することが可能と考えられます。我々ピアノ弾きのたずさわるクラシック音楽ピアノ独奏曲達は、その多くが数百年の時を越えて我々の手元に残された天才達の作品ばかりです。そして、彼らの多くが類まれないピアニストとしても活躍をしていた人が多く、例を挙げればモーツァルトMozart、ベートーヴェンBeethoven、メンデルスゾーンMendelssohn、ショパンChopin、リストLiszt、ブラームスBrahms、ラフマニノフRachmaninov、プロコフィエフProkofiev、ショスタコーヴィチShostakovich、さらにはバロックにおけるヨハン・セバスティアン・バッハJ.S.Bach、その息子のカール・フィリップ・エマニュエル・バッハC.Ph.E.Bachも、みんなみんな鍵盤楽器の名手です。彼らの書いた曲は、ピアノという楽器を演奏するに当たり、彼らにとって当然のごとく手に入れていた「ごく自然なテクニック」によって書かれた音楽たちであることに気付くことが出来るとき、その楽曲たちを練習することが、どれだけその練習をする人にとっての演奏技術の向上に結びつくかは、計り知れない効果を産むものと信じられます。

 

 

 

 

●「読譜」

 

読譜には「コツ」があるといえましょう。これはクラシック音楽における再現芸術としての演奏における実に重要なポイントであるように私は考えており、よって、レッスンにおいての大きな重要課題となることが予想されますので、以下に長文となりますが、その一部をご紹介いたしたく思います。

 

「読譜」が重要な課題であるからといっても、それはむやみやたらと難しくし過ぎる必要は無く、具体的な知識(音楽理論・和声学等がここに活用されます)をもって「コツ」をつかみ、その経験を重ねていくことで充実した「読譜」を経ての音楽演奏へと結びつくことが可能と考えられます。

我々の携わる楽譜の記載は、その曲の書かれた時代や、作曲家それぞれによる差異、それぞれの作曲家の個性的な独自の記譜法を押さえること、あるいはその逆で、多くの音楽に共通する音楽的な普遍性に則ったものを楽譜上から見出すことや、作曲家間におけるその類似性が相互に理解を深めるきっかけとなることもあるでしょう。多様な可能性を持つ「読譜」のコツを知ることで、面白いように音楽が手中に入るような手ごたえを覚え、また楽器の演奏がさらに楽しくなることにきっと驚かれることでしょう。

具体的には、それは楽譜上に直接書かれている点と線であったり、楽曲の名前であったり、速度標語・発想標語であったり、あるいは一見直接には楽譜に描かれていないもの、例えば和声進行や音符そのものの役割・効果(掛留音、倚音、導音、性格音、和声音、非和声音、音の上方・下方変異など)を見出すことも「読譜」の一部と考えることもできましょう。それらは音楽の基礎知識でありながらも(であるからこそ)、それらが音楽的な力をそれぞれに秘めていることを解き明かしそれらを吟味していくことを、充実した「読譜」ということができるのではないでしょうか。

例えば「f」という指示は、「f」であって「ff」でも「mf」でもない。一見当たり前のことですが、この「当たり前のf」とは、一体どの程度の加減によるものなのか、前後関係、作曲者の個性的感覚によっても差異があり、それが「いかなるf」であるかを吟味することは、その音楽を演奏するに当たっての大きな糧となるのです。

Andante」や「Allegro」という速度標語であってそれは同じ問題です。ひとつ、面白い話があるのですが、ベートーヴェンが後期の《ピアノソナタ30番 op.109》のII楽章を作曲するにあたり、そのテンポ設定を最初に「Presto(速く)」と書き、その後に「issimo」という字を書き加えて「Prestissimo(超速く)」とし、しかしその後それに斜線を引いて取り消し、しかしそれでも新たに再び「Prestissimo」と書いたという、大作曲家ベートーヴェンによる試行錯誤の言葉選びの過程をここに見ることができるのです(E.Fischer『音楽観想』より)。そこで我々に与えられた可能性は、いったい巨匠ベートーヴェンは、なぜ「Presto」ではなく「Prestissimo」という語を選んだのか、そしてなぜそれを躊躇する過程を踏んだのか、このような考察を経ることで、この楽章のテンポがどのようなものであるかを感得することができるようになるかもしれません。

 

これらは、「読譜」という作業の一例を記したものでしたが、このような勉強は音楽をしていく上でやり甲斐のある有意義なものであることが信じられます。深い意味での「読譜」を会得することは、クラシック音楽における「奥儀」「秘儀」の習得といっても過言ではないかもしれません。

 

 

 

●感性は磨かれるもの

 

感性というものがなんであるか、生まれつきの天性のものなのか、あるいは後天的な、人生を歩み続けた色々な経験・体験から培われるものなのか、あるいはその両者なのか、一概に一言にまとめられそうにありません。しかし、我々が携わる音楽の勉強において、音楽が「芸術」という分野の一分野を成すことに疑いはなく、その芸術において「感性」というテーマは大きな部分を占めることも、どうやら納得のいきそうなものです。

さてこの「感性」をどうしたものか、という問題は、我々音楽する人々・ピアノを弾く人々にとって興味深いテーマとなってくるでしょう。先天的に、音楽的な感覚が身に付いている神童のような人も少なからずこの世には存在しますし、だからといって、そうしたずば抜けた感性を持っていなくても、「感性を磨く努力」をすることができる可能性が、我々には与えられているのではないでしょうか。カメさんがウサギさんを追い越すことだって有り得るそうですから(笑)

それはさておき、どうしたら「感性」を磨くことができるのでしょうか。よく言われるように「音楽家はただ音楽の勉強だけしていたのではいけない、人生経験を積み、恋愛・失恋をして、または読書などを進めることで人間性を磨かねばならない」と勧められることがあり、それはまさにその通りでしょう。このような人生そのものを問うような規模の大きな問題も大いに重要でありますが、ピアノのレッスンの場において出来ること・すべきことを挙げるならば、それは、上記でくどいほど書き記しました様々な具体的な音楽の勉強、特に「読譜」を通して、過去の大音楽家達の残した楽譜のなかから、彼らの卓越した高い「感性」に触れ合えるよう努めること、これはひとつのレッスンの場においてなされる課題と言えるでしょうか。

そう考えてみますと、「原典版」の楽譜が価値のあるということはここにも裏付けられるかもしれません、すなわち、原典版という楽譜が「作曲者その人のオリジナル」のもののみを集約し、それだけを出来る限り楽譜という形にして出版しようという意識の元に世に送り出されているものであることを前提とすると、我々この楽譜の使用者Userは、ここを通して、数百年の時を越えて、彼ら大音楽家の生の音楽的感性の一端に触れることができるのかもしれないのです。

彼ら、ビッグネームとも呼ばれる作曲家達は、時を越えて今なお絶大な知名度を誇っていることからも証明されるよう、確かにずば抜けた高い境地の楽曲を作曲しているのだと信じられます。現に今日なお、彼らの音楽が我々の心を揺さぶり続けるのですから・・・。

彼らの力を信じ、彼らの音楽と向き合って勉強を重ねることは、彼らの高い音楽的感性に一歩でも近づける手段のひとつと信じて、音楽の勉強を進めていきたいものです。

 

 

 

●師匠クラウス・シルデ直伝の“アルバイテンArbeiten

 

このように、我々ピアノを弾くものには大いなる可能性が宿されているのです。そのための試行錯誤の道があり、楽譜を前に、どのようにそれら楽曲に向かい合うことでそうした技術や感性を習得するこが出来るのか、その基本と為す姿勢を、ドイツにて私の師事した師匠クラウス・シルデ Klaus Schilde流のアルバイテンArbeiten(作業、仕事、勉強)の経験を基に、皆さまにそれを伝授し(それはシルデ先生ご自身が先代から受け継いだものでもあります)、そのさらなる発展に自分が少しでも貢献できるよう勤めたく思っております。

 

 

 

●アルバイテンは尽きることが無い

 

音楽する・ピアノを弾くにあたり、個々の場合とその都度における細かな修整、さらには新たなアイディアの彷彿は尽きることが無く、それはプロフェッショナルな演奏家においても同じことが言え、それは完全ということがありえない人間ならではの終わりの無い作業を表しているようでもあります。そうした試行錯誤を、レッスンの場において生徒と教師という二人の人間(あるいはグループレッスン、ワークショップにおいては、大勢の人達と意見を交わしながら)の手探りの探求によって、より高い音楽へと至ることができるよう目指すのが、私の考えているピアノのレッスンです。

 

 

 

●間違い探しのレヴェルを脱したい

 

今から半世紀の前、ドイツのピアノ音楽界の巨匠エドウィン・フィッシャーEdwin Fischerが今後の音楽業界を危惧しているととられる文章があります。「機械化が完全な発達を遂げた今日において、」

 

 

 

●「ただ楽しい」だけでない、もっと「愉しい」、それは「癒し」

 

上記の長々と書かせていただいた文章からは、硬くマジメな音楽に対する姿勢のように受け取られるかもしれませんが、このような音楽における作業・勉強・練習を進めることは、深い充実感ある音楽の「楽しみ」へと通じるものだと思うのです。表面的、表層的なものではないこのような音楽の「楽しみ方」は、日常の日々を過ごす我々にとっての充実感ある「癒し」ともなりうるのではないでしょうか。

今日の日本において「ただ楽しい」ものが星の数ほど我々の周囲に溢れかえっていることは疑いがないでしょう。溢れかえる享楽の中から、より人間的な深い意味での「愉しみ」を得られるチャンスが、我々の携わるクラシック音楽、そしてピアノというやり甲斐ある楽器を弾くことに見つけ出せることを私は願い、また確信しております。

私のレッスンが皆様のその手助けとなれるのならば、光栄と慶びの至りです。

 

 

 

◆レヴェル

初級者から上級者まで、年齢の分け隔てなく、音楽が好きな方、ピアノが好きな方、ピアノを上手になりたい方、そして「もっといい音楽」を求めたいというあらゆる方々のために、レッスンを承っておりますので、どなたも奮ってレッスンにいらしてください!!皆様のご来訪を心よりお待ち申しあげます。

 

●趣味の方には、基本的に1時間のレッスン時間において、無理なく、しかしピアノ演奏・音楽における確実な進歩を共に目指してゆきたいと思っております。趣味の方だからといって手加減はありません、といってビシバシと厳しいレッスンをするという意味ではなく(ビシバシできる性格でもありませんのでご安心を・・・)、趣味にしろ本業にしろ、「音楽する」という行為においては、プロもアマもなんの違いもないと自分は考えております。その意味において、レッスンは一所懸命やってゆきたいと思っております。

 

 

●プロフェッショナルを目指す若い方には、あるいは音楽大学等を卒業後さらなる勉強を進められる方々には、特別のプロフェッショナルコースのレッスンをする準備がございます。私が今までに学び(主に師匠クラウス・シルデ先生から授かった音楽の創り方やメソードに関する具体的作業)、そして目下続けられている自分の音楽家としての音楽の勉強が、皆様のお役にたてるならばと願って止みません。

 

 

 

 

 

◆レッスン時間と料金

不定期な演奏活動のため、月極のレッスンは行うことができず、あしからず、ご了承下さい。

レッスンは基本的にワンレッスン制で、その度に次回のレッスンの予定をご相談させていだくこととなります。レッスン料は以下の通りです。

 

1レッスン 1時間半分以上 \10,000

 

レッスン時間を「1時間半以上」としましたのは、多くの場合、レッスンの充実を図るとおおよそ「1時間半」という時間が必要になってくるようなので、それを考慮しての「1時間以上」という奇妙な設定をさせていただいております。レッスンは1レッスン制ですので、時間が長くなったからといって超過料金などは、もちろんありませんので、ご安心下さい。

 

 

 

 

 

 

◆レッスン室、外部スタジオ・レッスン、出張レッスン

東京都世田谷区にて、レッスン場所を構えております。最寄り駅は「小田急線の経堂駅」、

そして「東急世田谷線の宮坂駅」です。

楽器は二台そろっており、スタインウェイSteinwayとヤマハYAMAHAをご用意しております。スタインウェイはニューヨークのS型、1935年製という年代物にて楽器として熟しており、最も小さい型ではありますが、膨大なダイナミック・レンジと音色の幅を備えており、それゆえにか、なかなか扱いづらい暴れん坊でもあります。その点、ヤマハはG3というこちらも同じく年代物の楽器ではありますが、よい意味でオーソドックス、ニュートラルな楽器であって、鍵盤の感触から音色・音量の扱い易さという点で、非常に重宝するものです。時と場合、状況に応じて両者を使い分け、楽器の違いを愉しみながらレッスンを進めていければと考えております。

 

あるいは、都内におけるスタジオにおいてレッスンをすることも可能です。当方の知る限りにおいて、例えば新宿ヤマハ・アーティスト・サービス、原宿のアコスタディオ、駒場東大前の福住スタジオ、大久保のスタジオ・ヴィルトゥオージなどでは、素晴らしいレッスン環境が整っていることが確認済みです。なお、外部におけるレッスンではスタジオ料や、場所によって設定する時間帯などが異なるため、レッスン代等合わせて、詳しくは直接相談の上で料金を調整することになります。

 

また、お宅へお伺いいたします出張レッスンの場合は、レッスン料は据え置きの上、交通費を別途いただくこととなります。

 

 

 

◆連絡先

 E-Mail  PianistSegawaGen@aol.com

 もしくは pianist-gensegawa@mail.goo.ne.jp

 までご連絡下さい。

 

 

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