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年があけて、節分、旧正月が過ぎ、雪が降りました。 各地で行われる数々の新年を祝う行事を、ニュースで見聞きしました。 地域の風土に根ざして受け継がれてきたこれらの人の集まりは、この年の福、健康、商売繁昌、豊作などを願う人本来の正直な姿なのだと思います。 ささやかな望みを神仏に託して祈るのも人間なら、 偽装、犯罪など小さな幸せを願う心に反する行為をするのも人間です。 他人の心など分かるはずもないし、分かってしまえば世の中面白くもないのでしょうし、分かろうとする気持ちや、相手の立場に立って考えるということなどは、今更何を言ってんだという事でして、分かっていてもできないのが人の弱さなのでしょうか。 子供に「どうしてこんなことをするの」と聞かれて、「本当はしてはいけないことなんだけど」としか答えられない自分は情けなく、子供の頃、童話やおとぎ話で社会のモラルを身につけたはずの私自身、どこまでと言われると見得を切る程の自信はなく、勧善懲悪の世界が、時代劇やハリウッド映画の中だけの事になってしまうのも情けないことで、めでたしめでたしばかりを望んでいるわけではないのですが、せめて、文明や経済に振り回されることも無く、「なぜこんなことが」と言うことの無いような、文化を規範とした、平凡な常識と善意の社会を望んでいます。
去年の話になりますが、9月30日に行った「琵琶語り〜小栗判官」の準備をしていた頃、
大阪読売新聞の連載企画「師あり弟あり」のコーナーで私と山鹿良之の事を取材して頂きました。
同じく山鹿良之の事ですが、昨年財団法人日本伝統文化振興財団から発売されました「肥後の琵琶弾き山鹿良之の世界〜語りと神事」が平成19年度第62回文化庁芸術祭優秀賞を受賞しました。
梅の枝につもった雪の下には、数輪の花が咲いていました。 2008年 如月 三日月の頃 |