近況報告 2014.6月


 サッカーのワールドカップが始まって、世間は盛り上がっているようです。4年に一度というのは今更言うまでもなくオリンピックと同じなのですが、オリンピックに参加する種目は、それぞれ世界選手権が毎年開催されていますから、4年に一度、みんな集まって一緒にやろうよと言うことなのでしょうねえ。
 オリンピックでのサッカーは、年齢宣言があるので、4年に一度、世界一はどこかを決めるワールドカップが盛り上がるのもも分かる気がします。
 初めて知ったことですが、国際オリンピック委員会に加盟している国と地域は204カ国、国際サッカー連盟に加盟している国と地域は209カ国。FIFAの方が多いそうです。
 ともあれ、日本の活躍を期待しています。



 毎年、6月の第3週か第4週に「沙羅の宴」と題して、平家物語の公演を行ってきました。4年前から「秋成忌」の公演がそれに加わりました。これは、6月27日の上田秋成の命日に逢わせてのことなので、それに近い日曜日と言うことになると、どうしても今年のように2週続けてと言うことが多くなってしまいます。
 どちらかにでも、足をお運びいただけたら嬉しいことです。



 法然院の方丈は、私の好きな場所の一つです。中央に阿弥陀三尊を象徴する三尊石が配置された浄土庭園である方丈庭園の奥では、山からの湧き水がししおどしを響かせています。
 この時期、モリアオガエルの産卵も始まっています。とてもホールで生えられない開放感です。
 今回演奏する曲のうち「小督」は四弦琵琶で演奏します。普段使っている五弦琵琶とはかなり趣が違います。
 ししおどしの音、野鳥や蛙の声を聞きながら、黄昏時のゆっくりとした時間の流れを楽しんでいただけたらと思っています。



   「秋成忌」の会場、西福寺には、上田秋成の墓があります。墓石に刻まれているのは「上田無腸翁之墓」。「無腸」は「蟹」の意で、「人皆縦を行けば、余一人横に行くこと蟹の如し。故に無腸という。」との秋成自身の言葉に由来しています。13回忌に伊藤若沖が彫ったという墓の台座も蟹の形をしています。
 案内にはありませんが、今秋成の長歌「秋の夜おもいを述る歌」を演奏してみようかと思っております。



 7月20日に2回目の「琵琶本語り」を行います。
 普段演奏会にかけない曲を聴いていただこうと企画したことですが、「関ヶ原」は20数年前に一度、師匠の一門会にかけております。この事だけは訳あってよく覚えています。「北の庄」は初めて人に聞いていただきます。
 琴屋の二階の座敷で、のんびりお聞きください。



 梅雨に入って、京都は夕立のような雨が2〜3回あった程度で、まとまった雨が降っていません。関東は記録的な豪雨のようで、少し心配しています。
 何事も程々にすぎれば一番です。
 どうぞお体ご自愛ください。

二の腕の白さまぶしい夏姿

 

2014年 水無月 下弦の頃