私が奏法について考える上で参考にしてきた(している)本をご紹介します。
書物はあくまで参考にしかなりません。文字を自分の感覚としてつかむことができてこそ、読んだ意味があります。
また、実際に信頼できる先生にレッスンを受けることの方がはるかに学ぶことが多いのは言うまでもありません。
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■日本語の本
・クラウド・ゴードン著、杉山正訳 『金管演奏の原理―クラウド・ゴードンによる自然科学的解明』 聖公会出版 2000年
(原著: Claude Gordon, Brass Playing is No Harder than Deep Breathing , Carl Fischer, Inc. , 1987)
序文
第一部 正しい奏法を求めて
偉大な演奏家達はいとも楽に演奏していた / 教則本とその重要性
金管楽器演奏に関する不可解な現象はますます大きくなる
有害な態度 / 間違った情報は混乱を引き起こす
第二部 正しい演奏をするために
1.ウィンド・パワー / 2.舌 / 3.ウィンド・コントロール
4.唇 / 5.唇と顔の筋肉
6.右手の指 / 7.左手
マウスピース / 覚えておくべきこと / 最後の注記
全71ページ
コメント:ゴードン氏の主張する、「舌」と「空気」による演奏原理が詳しく解説されています。客観的原理を追求した、非常に重要な書だと思います。
・デルバート・A・デール著、西岡信雄訳 『トランペットのテクニック』 音楽之友社 1966年
(原著: Delbert A. Dale, Trumpet Technique , Oxford University Press , 1965)
第1章 楽器とマウスピース
第2章 アンブシュア
第3章 "トーン"
第4章 その他の技術的要点
第5章 練習法
第6章 シンフォニック・オーケストラにおけるトランペット
第7章 バンドにおけるコルネット
付録 楽譜目録
全141ページ
コメント:現在となっては、やや古い書物であり、アンブシュアなどの記述(「上唇を巻く」など)については、慎重に読む必要があるでしょう。付録の楽譜目録は、ソロや室内楽曲など、マイナーな曲までが一覧にされており、役立ちます。
・フィリップ・ファーカス著、杉原道夫訳、北村源三他監修 『金管楽器を吹く人のために』 全音楽譜出版社 19?年
(原著: Philip Farkas The Art of Brass Playing , 1962)
1.アムブシュアの機能
2.名演奏家の写真研究
3.マウスピースの位置
4.湿った唇と乾いた唇
5.唇のアパチュア
6.アーティキュレーション
7.マウスピースの圧力
8.ブレス・コントロール
9.おわりに
全208ページ
コメント:有名な、ファーカスによる書。特に、当時のシカゴ響ブラスプレイヤー達のアンブシュアの写真を掲載したり、アンブシュアを形成する顔の筋肉の動きを分析したことにより、アンブシュアというものを鮮明に記述。
ただし、アンブシュアの開け閉め(アパチュアの大きさの変化)によってピッチを変える、という見解は、現在では、見直されている点であり、注意が必要です。
・モーリス・M・ポーター著、大室勇一・荒木雄三共訳 『アンブシュア―管楽器奏者のための』 全音楽譜出版社 1979年
(原著: Maurice M.Porter ,The Embouchure , Boosey & Hawkes Music Publishers, Ltd. , 1967)
第1章 アンブシュア―理論と実際
第2章 アンブシュアの快・不快
第3章 アンブシュアの素質
第4章 アンブシュアと共鳴
第5章 アンブシュアと呼吸
第6章 スタッカートでのアンブシュア
第7章 レガートでのアンブシュア
第8章 アンブシュア筋肉組織の疲労
第9章 アンブシュアの保護
第10章 楽器の清潔さ
第11章 アンブシュアの矯正
第12章 結論
全166ページ
・板倉駿夫著 『うまくなろう!トランペット』 音楽之友社 1999年
PERT1 基本の基本 /
STEP1 トランペットの歴史と種類 / STEP2 基本の基本〜楽器とは何か /
STEP3 ウォーミングアップからクールダウンまで / STEP4 呼吸法 /
PERT2 上達するために /
STEP5 タンギングをマスターするために / STEP6 マウスピースについて /
STEP7 ハイトーンの練習 / STEP8 バテてしまった唇を直す方法 /
STEP9 私のオススメ「教本」 / STEP10 『アーバン』の練習法(1) /
STEP11 『アーバン』の練習法(2) / STEP12 『アーバン』の練習法(3) /
PERT3 総集編 /
STEP13 良い楽器の選び方 / STEP14 楽器の手入れ /
STEP15 誰もが知りたいQ&A / STEP16 T.クラモー氏のスペシャル・レッスン /
STEP17 「ワンポイント・レッスン」総集編 /
全95ページ
・藤井完著 『管楽器の呼吸法―呼吸法・喉とアンブシュアの関連性』(「朝練」シリーズ) 全音楽譜出版社 1999年
1.「地声モード」と「ベルカントモード」
2.「喉頭器官」の二重構造 「あくび喉」からわかること
3.「オープンスロート・裏階段」
4.「ベルカントモード」のための呼吸法 T.呼吸筋の構造
5.「胸式呼吸」と「腹式呼吸」
6.「ベルカントモード」のための呼吸法 U.「吸気的傾向」と「対応運動」
7.発声器官との関わり
8.「咬筋」について
9.ヴォイシング(アンザッツ)
10.困った話
全34ページ
コメント:「アンブシュア」や「呼吸」は、これまで別々に論じられてきましたが、「喉」という点に注目すると、それら3つは密接に関連しあっていることがわかります。この点を解き明かした画期的な書(実際は、声楽的見地を管楽器奏法に適用させ解説したもの)。
・眞々田昭司 著/菅原眸 監修 『良い音は 良い姿勢 良い呼吸でつくられる』 共同音楽出版社 2008年
第1章 常識が貴方を駄目にしています
第2章 呼吸のメカニック
第3章 腹式呼吸は間違っている
第4章 貴方の身体は悲鳴を上げていませんか
第5章 呼吸、姿勢のインストラクション
第6章 知っていますかこんなこと
第7章 音楽家のための健康法
第8章 呼吸と姿勢のインストラクション体験談
全239ページ
コメント:私自身も何度も直接指導をして頂いている、眞々田昭司氏の著書。実際に眞々田氏のレッスンを体験したり、見学すると、姿勢ひとつでここまで呼吸が変わり、音が変わるものかと、驚きます。
この著書には、姿勢や呼吸について詳細にまとめられており、ピアノ・弦・木管・金管・打楽器・和楽器・声楽・ギターまで、あらゆる楽器別に、悪い姿勢と良い姿勢が写真とともに解説されています。その他、からだをほぐすための8種類のエクササイズなども。アンドレ・アンリ氏をはじめ、在京オケ奏者など数名のプロ奏者による推薦の言葉あり(ご本人から直接お聞きしましたが、北村源三氏も眞々田氏の教えを支持されています)。
■英語の本(とDVD)
・Chase Sanborn著, BRASS TACTICS , Chase Sanborn , 2003年
Introduction / Your Sound / Your Brain / Efficiency vs. Brute Force / Air / Tougue Levels / Posture / Lips / Fingers / Rest / Kacks & Clams / Overtones & Intonation / Lead Trumpet / The Trumpet Section / Vibrato / Shakes / Sightreading / The Metoronome / Etudes / Choosing A Trumpet / Choosing A Mouthpiece / The Flugelhorn / The Piccolo Trumpet / Trumpet Maintenance / Horns: Design, Modification, Repair / Mutes / Cases / Microphones & Monitors / The Sounds Of Horses / Gigs / Teaching / Mentors & Heroes / The Practice Routine / Warming Up / Mouthpiece Buzzing / Pedal Tones / Flexibility / Soft Attacks / Long Tones / Tonguing / Jazz Articulation / High Notes / Endurance / Low Notes / Frequently Asked Questions / The End /
全219ページ 最新版はCD,DVD付き
・Frank Gabriel Campos著, TRUMPET TECHNIQUE , Oxford University Press , 2005年
1. The Nature of Skill
2. The Breath
3. The Embouchure
4. The Oral Cavity, Tongue, and Jaw
5. Body Use
6. Performance Psychology
7. A letter to My Students
Biblography
全188ページ
コメント:各項目について、膨大な文献資料や著者自身の経験に基づき、論理的に説明がなされています。著者自身の見解のみを述べるのではなく、あくまで客観性を保ちながら、多くの項目について解説がされている、かなりの良書。
・Howard Snell著, THE TRUMPET ―It's Practice and Performance A Guide for Students , Rakeway Music , 1997年
Section1: Mind Skills / Section2: Playing Skills /
Section3: Performance / Section4: Practice /
Section5: Careers and Situations / Section6: Attitudes, Strategy and Tactics /
Section7: Recapitulation /
全309ページ
←私のは古い版なので表紙は最新版とは違いますが・・・。
コメント:オーケストラプレイヤーとしての、また教師としての経験に基づいた、様々なアイディアが紹介されています。実践的アドヴァイスが豊富な点が特徴と言えるでしょう。
・Lynn K. Asper著, A Physical Approach to Playing the Trumpet , Wave Song Press , 1999年
Unit1 Reflexes / Unit2 The Body Carriage /
Unit3 Holding the Trumpet / Unit4 Air Column /
Unit5 The Embouchure / Unit6 Air Intake /
Unit7 The Buzz Pitch / Unit8 Tonguing /
Unit9 The Sound Production Cycle / Unit10 Warm Up /
Unit11 The Lesson / Unit12 Practicing /
Unit13 Method Books and Literature / Unit14 Buying a Trumpet and Mouthpiece /
Unit15 Daily Warm Up Exercises / Unit16 Tonguing Exercises /
Unit17 Ascending Slurred Intervals / Unit18 The Upper Register /
Unit19 Practicing for Endurance / Unit20 Vibrato /
全104ページ
・Warren Vache出演・製作, i love the TRUMPET ( DVD ) , Artist House , 2004年
Introduction / Lessons /
Student Comments / Equipment /
The Jazz Trumpet / Recording Studio /
The Brass Instrument / Classical & Latin Trumpet /
Warren Vache / Music /
"Introduction"と"Lessons"は、スペイン語・中国語・日本語・仏語・独語吹き替えあり。
コメント:文字ではなく、音と映像で学べることがDVDならではのすばらしい効果。「ピストン」など楽器の部分の名称の説明から始まり、呼吸、音の出し方、基礎練習、クラーク、ジャズ奏法、楽器工場見学やトランペットの歴史まで、豊富な内容。