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Four Fundamentals of Troubleshooting for Brass Players   by Bobby Shew
金管奏者のための 問題解決策の4つの基本   ボビー・シュー著

ボビー・シュー公式サイト http://www.bobbyshew.com より
日本語訳:高垣 智



1) FEELING OF THE LIPS 唇の感覚

楽器を唇に当てている時、ある程度の容易さや快適さを感じなければ、誰しも金管演奏はあまりうまくいかないだろう。賢く意味のあるウォームアップの第一の目的は、「よく知っている・覚えのある」感覚を作り上げることを通して、快適さを確保することである。当然、若い奏者の感覚にはあまり多くの「実績」がないだろうから、そのよく知っている・覚えのある感覚の要素はあまり深く根付いたものではない。このウォームアップのコンディションを達成するためにどんな種類の「エクササイズ」をすべきかについては、数多くの体系だった考え方がある。それらのほとんどは、毎日の基礎として望めるほど一貫性のあるものではないが、ある程度の結果を生み出すものだ。

まず楽器はわきに置いておいて、私たちは、医学やスポーツトレーニングの専門家たちによって、単に唇やほおの筋肉を「ブルブルふるわせること("fluttering or flapping")」がマッサージになったり筋肉の血流を良くするよう働くことを知っている。このことは、筋肉から、前に吹いた時から蓄積している乳酸などの残留物を除去することを促進する。それはまた、酸素や血糖を筋肉に与え、この2つのことは、筋肉がベストの機能をするために必要なことなのである。この「筋肉の準備」は、個々応じて、また準備すべき演奏場面に対して求められる条件に応じて、どこでも、2・3分間以上、できれば5〜10分間行うべきである。何度か間に休憩をはさむことは安定をもたらすし、自分がコンディションを作るのを観察することも手助けするだろう。ジャズアンサンブルのリードトランペットを吹く準備をする人と、コンサートバンドやシンフォニーオーケストラで吹く準備をする人とでは少し違う結果を求めるのは、自然なことだ。しかしながら、どちらの奏者も唇を震わせることから始めることで、うまくいくだろう。両者の違いは、実際に楽器を吹く、ウォームアップの最後のステップにあるのだ。私が思う中盤にやるステップはとても重要で、唇を震わせた後に、楽器を吹く前に少しマウスピースでバズィングをすることである。


2) ABDOMINAL SUPPORT OF AIR  息を腹で支えること

これは、かなりの混乱を招く原因となる金管奏法の領域のひとつである。横隔膜の重要性についての多くの議論が、たくさんの奏者を混乱や不能、唇の出血の道へと陥れてきた。胴体の上部には、大きな筋肉のファミリーがあり、これはチームワークで機能するように作られている。特に、息を強いて出すことを求められる時、例えばロウソクの火を吹き消す時、口から何かを吹き出すとき、そして管楽器を吹く時がそうである。

股間から胸骨にかけて、腹部の筋肉は3層をなす。肋骨の間には2層の筋肉(内側と外側)がある。腰から肩にかけては背筋がある。肺のちょうど下に横隔膜がある。そして耳の後ろから斜めに下がり胸郭の上部につながっている筋肉がある。「強いて息を吐く」時、その全てのファミリーが「一つのファミリー」として活動する。肺の内側の圧縮度(PSI)を高めるために、それら全てが同時に緊張度を高める。これが、音域が「上がる」時に第一に不可欠なことのひとつである、空気のより速い動きを実現する。奏者が認識する必要がある体の部分は、横隔膜ではなく、腹部の筋肉の中心、大体へその付近である。ただ単に、米を口から吹き出したりローソクの火を吹き消すように突然息を吹き出そうとすると、体は自然にそこに集中するように動くものだ。緊張度の変化をコントロールすることを身につけることによって、つまり圧縮度を保つためのアイソメトリックや、演奏するものによって緊張の度合いを高めたり弱めたりすることによっての両方で、息をコントロールするのはまさに腹部の支えであることを発見するのである。この腹部の支えは確かに横隔膜に影響を与えるが、空気を動かすのは横隔膜それだけではないのである。それは筋肉のファミリーなのであり、全ては腹部の集中によって導かれるのである。


3) APERTURE CONTROL  アパチュアのコントロール

金管奏法で最も誤解されている側面は、唇で「起こっていると仮定される」ことと、演奏時の一般的なアンブシュアである。長年私たちは、唇はどんな音を演奏している時でも常にバズィングしていると仮定される、と聞いてきた。実際、唇は振動しなければならない。しかし、リップバズィングをしている時と近い形状ではないのである。空気はいったん圧縮されたら、コントロールされて体の外に出されなければならない。

空気は実際に、初めはできるだけ遠く前にと、上唇の表面に向かう。速いスピードで空気が動くと、空気が唇に当たる衝撃で唇の振動が起きる。空気はただ唇を通過するのではなく、渦巻きを起こし、「下に跳ね返る」。そしてこの下向きの動きが下唇の表面の振動を作り出し、それがさらにまた渦巻きを起こす。これらはvortices渦巻運動(単数形vortex)と呼ばれ、これが上下の唇で起きる「共振」の基礎である。…これが何が音を生み出すかなのである。

唇を近づけると、柔らかく、小さく、細く、「圧縮された(pinched)」音になるだろう。アパチュアを大きくすると、初めに気づくことは息の動きが自由であること、そして音が開けることだろう。いったんアパチュアが大きくなると、アパチュアの開きを埋めるためにしなくてはならないのと同じように、息の流れを増やすためにお腹の支えの緊張を高くしなければならない。このことが、息を効果的な方法で使うようにさせてくれるのだ。皆がについて語ってきたが、しかし、息がどうはたらいているのかとか、奏者が「していると仮定される」ことについて説明する時、混乱が生じるのだ。柔らかく、繊細な演奏ではアパチュアを小さくし息の流れの減少も必要だが、リードトランペットを吹く時のようなより過酷な状況下で、演奏者として「手を変える」時、鍵となるのは、お腹の支えと息の流れがアパチュアとバランスをとることであるということをよく理解しておきなさい。

これらのアパチュアの筋肉は、適切に発達させる必要もある。このための私が知る中で最もいい練習は、リップバズィングを、リップバズィングに必要なだけ唇を硬くすぼめてしまうことと、実際に楽器を吹いている時に必要なすぼめ方とか楽器を吹いている時との違いとをごちゃごちゃにしてしまわない程度に、やることである。また、リップバズィングでは、長くきつい練習をしてはいけない。リップバズィングは控えめに、普通30秒のセッションで一日に10分程度するのが一番良く、演奏がきつい期間はやらないことだ。


4) SELECTION OF CORRECT MOUTHPIECE  正しいマウスピースを選ぶ

合っていないマウスピースを使うことは、ねじ回しで釘を打とうとしているのと同じである。私たちは皆小さい頃こう言われた。「一つのマウスピースで全部こなしなさい」とか「こういうマウスピース商売のわなに引っかかるな」と。さあ、私はここであなたに言おう、私はその通りにしてみようとしたよ……何年も何年も。私は、彼らが言っていることをわかっている人がいるのだと信じ込んでいた。こんな長年の後、かなり多くのバンドで演奏し、非常に偉大で有名な奏者の隣で演奏し、私は道具に対する態度の違いに気づいた。人々はいつも「魔法のマウスピースを探し」ていた。…しかし、彼らは見つけようとしていたのだ!!調べること、試すこと、質問すること、どんなことでも…それはすばらしい冒険であり、あなたはいつかは本当に、状況に合わせてどのマウスピースをどのように使べきかについて何かとても重要なことを学ぶことができるだろう。私が知っている主要なクラシックの演奏家は、「C管」「Bb管」「ピッコロ」などの楽器によって異なるマウスピースを使う。音楽のスタイルによって、演奏を良くするのを助けるためにマウスピースを臨時に変える奏者もいる。私は、音でちゃんとした判断ができる…そんなところかな、「仕事に合った正しい道具を」!!

あなたは、道具を調節することについて、より奨励し、積極的になり、実際的になり、詳しくなることによって、自分の若い生徒を本当に手助けすることができる。単純に言えば、生徒がコンサートバンドや吹奏楽、オーケストラで演奏しているなら、深いカップのマウスピースを使うことを薦める。そうすると、より音楽に合った音を出せるようになるし、スタイルに合った演奏を非常に容易に感じることができる。同じ生徒でももしジャズのビッグバンドで演奏するなら、高音域にアクセスしやすいだけでなく速い反応を得やすくなる浅いカップのマウスピースを見つけるよう提案しなさい。このことが演奏を簡単にするのだ。当然、「思慮をもって賢く」すべきことは、どちらの場合でも同じリムと内径をもったマウスピースを手に入れようとすることである。生徒が標準的な曲を演奏する限り、これはとても簡単にできることだ。それはいつもまったく正確である必要はなく、ちょうど近いものならいい…「許容範囲にあれば!」。若い生徒はあまり小さな違いに気づかなかったり、反対にそれに作用されることがあまりないだろうが、プロはごく小さな違いにより敏感だろう…いつもとは限らないが!

試してみることを恐れてはいけない!!伝統(や間違った情報)のせいで事実を直視しないより、探求し発見するのだ。

グッド・ラック!!!

1997年、ボビー・シュー



この文書は2003年5月19日午後8時01分18秒に作成された





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